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ストラクチュラルインテグレーションとは

(S.I. : Structural Integration)

 ストラクチュラル(構造)インテグレーション(統合)とは,米国の生化学者であったアイダ P. ロルフ博士によって開発された,筋膜をはじめとした結合組織に働きかけて重力に調和した身体(姿勢)に統合する,身体の再教育のためのシステムです.創始者の名を冠してロルフメソッド,あるいはロルフィング*1)という別名でも呼ばれています.
*1)ロルフ研究所は ロルフィングという名称に対する商標権を取得し,現在は究所のメンバーだけが使用することのできる登録商標 となっています.
 筋膜という言葉は,最近テレビや雑誌など各種メディアで急に取り上げられるようになり,注目を集めています.筋膜は,全身に三次元的に連続しており,筋,骨,血管,神経,内臓などのすべての要素を覆い,それぞれの形状と位置を保持しています.​身体を安定させる重要な作用を有するため,「第二の骨格」とも呼ばれ,まさに私たちの姿勢をかたちづくっている組織になります.
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Dr. Ida P. Rolf

1896 – 1979

​ また,筋膜は運動時,隣接した筋あるいは他の組織との間で滑動する際,摩擦を最小限にし,筋の収縮力の損失を抑えています.すなわち,筋膜は「姿勢」と「運動」のコントロールに非常に重要な役割を果たしています.
 しかし,肉体的・精神的なストレスや同じ作業の反復,けが,老化の影響などにより,筋膜は弾力性を失い,より短く,より硬く,より高密度に,あるいは捻じれる可能性があります.硬く緊張した筋膜は,本来の正しい位置から筋や骨を引っ張ることで姿勢を崩し,痛みや不快感,疲労を引き起こします.
​ ストラクチュラルインテグレーションは,このような問題に対して,”ベーシック10シリーズ”と呼ばれる10回のセッションを通して,筋膜の制限をリリース(解放)しながら,身体を重力の中でバランスさせていきます.身体がゆるむことで姿勢は整い,自分の身体に心地よく居ることができるようになります.動作は円滑になり,抵抗が最小限になるため,「軽く」動くことができるようになるでしょう.呼吸は深まり,全身をくまなくめぐるようになります.そして,このような身体の変化は,その人の内面にも変化を起こすことになるでしょう.
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